先週のお話ですが、10月15日(日)、母校である武蔵野音楽大学で開催された指導者のためのセミナーに参加してきました。様々な講習が開催されていて、1~3限は選択、4限は作曲家で即興演奏家の伊東光介氏による特別講習でした。

①イタリアの声楽曲を巡って
声楽家の堀内康雄氏による講座で、イタリアの声楽曲をバロックの時代から現代の曲まで幅広く解説するという盛りだくさんの内容でした。私は近年、声楽曲を歌うことはありませんが、伴奏をよくするようになりました。伴奏をするうえでも発音やイントネーション、楽譜上のアクセントの意味など、勉強してわかったうえでそれをやるのとやらないのとでは違うということで、大変勉強になりました。
特に、興味深かったこととして、ヴェルディの曲の中には、普通に考えればそこにはつかないだろうという位置にアクセントがあるものがあるということ。堀内氏によれば、プロの歌手で、それをやろうとしてもできていないことがままあるとのことでした。(「リゴレット」など)
②2台ピアノの奏法
2人のつぶを揃えるための具体的な練習方法、呼吸の合わせかたなど、ユニークな方法もありおもしろかったです。例えば、ひとつのマウスパッドを二人の手の上に置いて練習します。その際マウスパッドが動いて行ってしまわないようにします。これによって、二人のタッチを揃えていくことを狙います。
また、先生によれば、鍵盤を離す、つまり離鍵する際の二人の音の長さ、響きも大切な音楽の要素だとのことでした。コンクールなどではそのようなところもよく見られているとか。2人の離鍵を揃えることの大切さを改めて感じました。
③演奏における芸術的表現を高めるために〜幼児期からの表情豊かな音色・タッチ、美しいレガート奏法へのアプローチ
レガート奏法は、腕の重みだったりタッチの深さだったり弦がハンマーに触れるところの意識を持つことを、幼児期から取り入れていくことで音楽的表現に繋がるのだと感じました。タッチにおいて、深いところで弾けていないと音色は作れないというお話もありました。
そして2台ピアノのレッスンと共通だなと思ったのは、打鍵の瞬間だけではなく、離鍵の大切さです。幼児期のレッスンにおいてこれらを指導するためには、具体的なインスピレーションを伝えることが大切ということを改めて感じました。明日からのレッスンで使っていこう!と思うお話がたくさんあり、楽しかったです。
④即興講座
なかなか私には難しい分野ですが、だからこそ、この日いちばんおもしろいと感じる講座内容でした!和声ってむずかしい…と思ってしまっていますが、音を味わいながら即興できたら楽しいだろうな!と思いました。少々専門的な話になりますけれど、和声課題には、「次のバス課題を実施しなさい。」などと書いてあります。つまりどうするのかというと、与えられたバスの音からソプラノ、アルト、テノールの音を推測、想像して、和音を作っていきます。そして、次から次へとバスの音に従って和音を並べていくのですが、この並べる作業を「和音の連結」といいます。これ、夫が言うには「課題」とかいうだけあって、かなり機械的に処理してしまうのだそう。しかし、先に触れましたが、講座内で伊東氏は「響きを味わいながら連結していくことが大切。」と言っていたわけです。和音の連結にしっかりと音楽を感じるという、言われてみれば火を見るより自明なことに改めて気づかされたと、夫は感動しておりました。
(「バス課題」とは以下のようなもの。)

娘のだいすきな「かたつむり」も題材として扱っていたので、早速家でも教わったことを使って演奏してみました(^^)
数年ぶりに大学へ学びに行き、とても有意義な一日を過ごすことができました。
やはり、大人になってから自ら学びに行くととても楽しいものですね。学んだことをレッスンや自分の演奏活動にも活かしていきたいです。


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